折込チラシをいつ入れるのが反応率が上がるのか?
折込チラシの日程を決めるとき、「何曜日に入れるのが一番いいんでしょうか」というご質問をいただくことがあります。
これは、答えの出しにくい質問です。ただ、考え方の筋道は整理できると感じています。今回は私たちが日程についてどう考えているかを、正直にお話ししてみたいと思います。
「他社が少ない日は目立つ」は、今も有効なのでしょうか
日程選びでよく聞くのが、「他社のチラシが少ない日を狙えば、うちのチラシが目立つ」という考え方です。
かつては、これは非常に合理的だったと思います。1日に30枚も40枚も折込が入っていた時代なら、束の中で埋もれるかどうかは大きな問題でした。「今日は少ないから、必ず見てもらえる」という理屈が成り立ちます。
ただ、折込の枚数は大きく減りました。私たちが広島市内の一部エリアで実際に確認してみたところ、平日はほとんど10枚以下しか入っていません。7枚程度という日も普通にあります。
ここで一度、立ち止まって考えてみたいのです。
10枚が5枚になったところで、目立ち方に差が出るのでしょうか。
どちらも、新聞を開いたときに全部に目を通せてしまう量です。埋もれるリスクという意味では、すでに問題にならない水準まで下がっているのではないか。私たちはそう感じています。
では、日程を考えるのは無意味なのか。そんなことはないと思っています。軸を「競合」から「受け取り手」に移せばいいのではないでしょうか。
チラシの枚数は減りましたが、生活者の行動リズムは何も変わっていません。むしろ競合という要因が薄れた分、受け取り手側のリズムがそのまま結果に出やすくなっているとも考えられます。
反応を左右するのは「読み手が動くタイミング」
生活者の購買行動には、はっきりとしたリズムがあると言われます。これを3つの層に分けて整理してみます。
第1層:一週間の中のリズム
一週間の買い物計画は、週末を頂点に組まれていることが多いようです。
- 木曜・金曜:週末の買い出し前。食品スーパーの特売チラシが木曜に集中するのは、単なる業界慣習ではなく理由があると感じます。「明日・明後日どこで買うか」を決める直前に届くからです。
- 土曜の朝:高額・検討型の商材に向いた枠。家族が揃っていて、その日のうちに一緒に動けます。住宅、自動車、家電の来店誘導はここが強いと聞きます。
- 日曜:検討は進むものの、行動が翌週に持ち越されやすい日。夕方以降は「来週にしよう」となりやすく、即日来店を狙う訴求にはやや不利かもしれません。
- 月曜〜水曜:全体としては静かな時期。ただし急がなくていい商材(リフォームの相談、保険の見直し、塾の資料請求など)は、落ち着いて読まれる分むしろ相性がいいという見方もあります。
第2層:一か月の中のリズム
- 給料日直後(25日〜月末):財布が緩む時期。単価の高い商材やまとめ買いの訴求が通りやすいと言われます。
- 月初(1日〜5日):家計の予算がリセットされる心理的な区切り。塾・習い事・ジム・宅配など、定期契約型の検討が集まりやすい時期です。
- 月中(10日〜20日):全体に静かになりがち。高単価の商材を投下するには効率が落ちるかもしれません。
- 月末直前(20日〜24日):財布が締まる時期。ただし「安さ」を前面に出す訴求なら、節約意識が高まっている分むしろ刺さる可能性があります。
第3層:一年の中のリズム
- 3月:引越し・入学・新生活。住宅、家具、家電、学習塾が同時にピークを迎えます。
- 4月:塾・習い事の入会期の後半戦。
- 6月・12月:ボーナス月。高額商材の第2のピーク。
- 8月・1月:帰省や正月で在宅率が下がります。折込の効率が落ちる時期として頭に入れておきたいところです。
3つの層は「掛け算」で効いてきます
大事なのは、この3つが別々ではなく重なるということです。
「木曜がいい」だけでは、おそらく弱い。「12月上旬の木曜」「3月の給料日直後の土曜」というように層を重ねて初めて、日程選びが意味を持ってくるのではないかと思います。
逆に言えば、どれだけ曜日を工夫しても、8月の月中に高額商材を打てば厳しい結果になりやすい。層で考える習慣をつけていただくと、判断がぶれにくくなります。
見落とされがちな点:折込は誰に届いているのか
ここまでの話には、実は大きな前提があります。
「給料日は25日」というのは、現役世代の生活リズムだということです。
新聞の購読率は、現役世代で大きく下がりました。裏を返せば、折込チラシが実際に届いている世帯は高齢層に偏っている、ということになります。
そして年金世帯には、給料日とはまったく別のカレンダーがあります。
年金の支給日は「偶数月の15日」
公的年金の支給日は、2月・4月・6月・8月・10月・12月の15日、年6回です。その都度、前2か月分がまとめて振り込まれます。老齢年金・障害年金・遺族年金いずれも同じサイクルです。15日が土日祝にあたる場合は、直前の平日に前倒しされます。
この事実は、日程を考えるうえで3つの示唆を与えてくれると思っています。
- 財布が緩む日が、そもそもズレている:25日周辺を狙う設計は、高齢化率の高い配布エリアでは的を外している可能性があります。
- 奇数月には月内の山がない:年金は偶数月にしか入りません。1月・3月・5月・7月・9月・11月は、年金世帯にとって入金のない月です。奇数月に高単価の訴求を打つと、効率が落ちる可能性を見ておきたいところです。
- 前倒しが「良い週末」を作ることがある:たとえば15日が日曜なら、13日の金曜に入金が済んでいます。この場合、13日夕方から14日の土曜にかけての折込は「入金直後の週末」という条件に当たります。
リフォーム、墓石・仏壇、健康食品、補聴器、シニア向け旅行、介護施設といった高齢層向けの商材であれば、このカレンダーで組み立てるのは十分に検討に値すると感じています。
正直にお伝えしておきたいこと
最後に、誠実であるために書いておきたいことがあります。
曜日ごとの反応率を、数字で厳密に証明するのは非常に難しいというのが実感です。
折込チラシの反応は、天候、デザインと内容、掲載商品、季節、競合店の動きなど、あまりに多くの要素に左右されます。同じチラシを別の曜日に配布して比べたとしても、数回程度では曜日の影響は誤差に埋もれてしまいます。意味のある差を見るには、相当な回数のデータが必要になります。
ですから、この記事に書いたことは「確定した法則」ではありません。生活者の行動リズムから考えて、こう組み立てるのが筋が通るのではないか、という私たちの見方です。
それでも、すでに前提が崩れている「他社が少ない日だから目立つ」という理屈に頼るよりは、確からしいのではないかと考えています。
そして本当に大切なのは、御社ご自身で検証を積み重ねていくことだと思います。同じエリア、同じデザインで日程だけを変えて実施し、反応を記録していく。それを続けていけば、御社の商材と商圏に固有の「動く日」が見えてきます。
その検証を続けるには、テストを気軽に打てる印刷コストであることも条件のひとつです。私たちがB4折込チラシの価格にこだわっているのは、そうした理由もあります。
まとめ
- 折込枚数が減った今、「競合が少ない日は目立つ」という考え方は前提が崩れている
- 日程は「受け取り手が動くタイミング」で考える
- 週・月・年の3つのリズムを掛け算で見る
- 届いている層が高齢層に偏っているなら、給料日(25日)より年金支給日(偶数月15日)を基準に
- 厳密な証明は難しい。だからこそ、自社で検証を積み重ねる価値がある
日程のご相談も承っております。商材と配布エリアをお聞かせいただければ、具体的にご提案できることがあるかと思います。
ご相談・お見積りは無料です。お気軽にどうぞ。